卒業生の阪倉美紀,木村周世,高田祐希,枩田紗希,髙村智子さんを中心とした長岡グループの成果が,Insect Biochemistry and Molecular Biologyに掲載されました。すでに,オス生殖腺末端部位の前立腺には部位特異的に精子成熟誘発因子,トリプシン様セリンエンドペプチダーゼ・イニシャトリンが存在していることを明らかにしてきました。本論文では,イニシャトリンは,精液に含まれる不活性なカルボキシペプチダーゼBの配列中に存在する連続した2つのアルギニンのC末端側を特異的に切断しており,その結果,カルボキシペプチダーゼBは活性型へと変わることを明らかにしました。イニシャトリンの基質となるタンパク質がはじめて明らかとなり,カイコガ精子成熟の分子メカニズムの端緒が得られました。

 

Limited proteolysis by a prostatic endopeptidase, the sperm-activating factor initiatorin, regulates the activation of pro-carboxypeptidase B in the seminal fluid of the silkworm, Bombyx mori

Miki Sakakura, Yuki Takata, Chikayo Kimura, Saki Matsuda, Tomoko Takamura, Sumiharu Nagaoka

Insect Biochemistry and Molecular Biology
Volume 148, September 2022, 103819